安価な耐震改修工法講習会等に関する技術的なご質問回答
重要なご質問及び回答は各年度から抜粋し、『木造住宅低コスト耐震補強の手引き』の第5章に載せています。
平成27年3月5日(木)に開催された『安価な耐震改修工法講習会』の受講者の方より提出されたご質問について、以下のとおり回答をいたします。
一括のPDFデータはこちら
工法に関する質問等
■減災協工法について
-
Q.
A-001.2の場合で、以前は間柱30×90以上とされていましたが、今回は三ツ割以上となっています。
30×90で施工した場合、真壁は柱が(約)150以上も必要です。既設の場合はそのような柱は少ないと思いました。今回は三ツ割以上とのことで柱105でよいのですが、105の三ツ割は35mm以上なのですが、30×90が基準では?(柱は90角として三ツ割以上とみてよいのでしょうか。) -
A.
三ツ割筋かいは、90角を三ツ割したものとして、30×90を想定しています。
-
Q.
今回の加筆で穴あけ不可とされた工法が多くありますが、コンセント等があると穴を開けざるを得ない場合が多いので、穴を開けた場合の耐力を示してほしいです。
-
A.
コンセントボックス程度の穴あけについては、壁1面に対し1つまで穴あけとみなさないこととしました。ただし、穴から面材の端までの距離が短い場合については、裏桟を設ける制限を追加します。
-
Q.
耐震補強の手引きでのA-008「1間横使いの裏桟あり」の真壁仕様がないため、評価シートを追加して欲しい。
-
A.
今年度末に追加予定です。
■木造耐震診断及び耐震補強について
-
Q.
精密診断でも補強計画をして判断して欲しい。
-
A.
精密診断でも、考え方は同様です。部分的な接合部補強などより細かな計画が可能となります。設計例のご要望として承りました。
-
Q.
減災協の精算法エクセルシート(Wee2012版)の下段の方にある配置による低減係数を出す部分ですが、これを使って低減係数を決める必要があるか?Wee2012の低減係数を使ってよいのか。
-
A.
どちらも同じ値となります。Wee2012の値を用いてください。
-
Q.
直交方向には梁があり、土壁上部に梁がない耐力ゼロの壁を耐力壁とするために、梁を後付したいのですが、耐力評価できる梁の取付方法を教えてください。
-
A.
土壁との一体化、直交梁、床との緊結が必要です。
-
Q.
ホームズ君を使用した場合、三ツ割筋かいが入っている土塗壁は片面塗の数値を入れないとエラーが出ます。ソフトメーカーに聞くと、建防協認定時に指摘されて直したとのことですが、建防協が出版している本にも書いてなくて、Wee2012版にも土塗壁片面塗数値がないのですが、筋かいの入った土塗壁は片面塗の数値になるのでしょうか。また、片面塗の数値はいくつになるのでしょうか。
-
A.
土壁耐力壁+筋かい仕様で筋かいが露出している場合は、建築基準法施行令第46条(昭56年建告第1100号)の仕様の片面土壁は、1.0倍(1.96kN/m)として評価可能であると考えられます。土壁内部に筋かいがあり筋かいが露出していない場合は、筋かいの厚みを除いた塗り厚で土壁の評価が可能と考えられます。なお、土壁両面塗から土壁を削って筋かい追加等を行った場合は、土壁の耐力を評価しないてください。
■その他
-
Q.
毎回同じテーマ(安価)のような気がします。他のテーマでもよろしいのでは。
(例)①やって良かった耐震改修
②○○のついでに耐震改修
③老後のためにも耐震改修
④プロを入れずに耐震改修
⑤新人でもできる耐震改修 -
A.
今後、ニーズに合わせて検討していきたいと思います。
-
Q.
現況診断の際の筋違いの有無について、今年度施工した現場で下図のように柱間にない現場があり、変更申請したことがありました。事前にきちんと診断できる方法があれば教えてください。
-
A.
きちんと診断するには、詳細調査が必要です。現状復帰への負担を考えると、施工時の変更はやむを得ないのではないでしょうか。
-
Q.
構造用合板、土壁を併用した場合やかべ大将などと土壁を併用した場合の実験評価をしてほしいです。
-
A.
評価の足し合わせは可能です。相乗効果が見込まれる場合は、今後優先順位を考慮して試験を行いたいと考えています。