安価な耐震改修工法講習会等に関する技術的なご質問回答
重要なご質問及び回答は各年度から抜粋し、『木造住宅低コスト耐震補強の手引き』の第5章に載せています。
平成31年3月12日(火)に開催された『安価な耐震改修工法講習会』の受講者の方より提出されたご質問について、以下のとおり回答をいたします。
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工法に関する質問等
■減災協工法について
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Q.
耐震補強について、現状の建物には筋かい設置があります。筋かい付きに合板(構造用9,12)の補強がA-213が可能ですが、入隅壁には受材と筋交いがぶつかります。そこで筋交いを除いて合板の耐力にすることが当たり前と言われています。土壁の外に筋かいを加えている従来の構法を生かして合板を加算した工法実験できないでしょうか。
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A.
要望として承りました。
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Q.
A-233とA-435を入隅で利用するとき、A-233はA-233(カ)として評価してよいか。
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A.
単独で利用する場合は、面材の抑え込み効果が無いことから安全率を考慮して評価するものとし、「対象壁負け」と同等性能の片側受材仕様「単独壁」として評価してください。
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Q.
添え板の厚みと使用する釘の長さを厚みに応じてどれくらい長くしなければならないでしょうか。
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A.
添え板厚を除き柱梁への埋込長さが通常時と同じように担保できるようにしてください。
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Q.
A-233,A-213,A-113,A-423など裏桟なしのタイプで「2隅アケ」や「4隅アケ」など新規にラインナップしてほしい。
あるいは上下アキはよく使えますが、A-233は3.64kN/mとA-111ほか5.2kN/mの間で。あるいはA-222とかで電気配線のみの共通仕様を示してほしいです。 -
A.
要望として承りました。
評価工法に関する技術的なご質問回答
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Q.
ビスは既定されているものより長いものを使用するのは問題ありませんか?
たとえば、N50、CN50と規定されているところにN65、CN65を用いるなど。記入日 :2018年1月29日
工法番号:A工法
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A.
釘に関しては、上位のものを用いる場合は問題ありません。
ただし、アルミアングル仕様に用いるビスは、指定した仕様の中から選んで用いてください。
詳しくは、平成29年度版Q38を参考にしてください。記入日 :2018年7月4日
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Q.
Q&Aの回答A22において、A-233及びA-213についてはご回答をいただいているところですが、A-232についてはいかがでしょうか?
A-232のα=1.0であるところから、A-111に準じて対象壁カチα=1.0、対象壁マケα=0.8として取り扱うことは可能でしょうか?
よろしくお願いいたします。記入日 :2018年3月19日
工法番号:A-232
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A.
A-232についても試験をして性能を確認していないため、他の仕様の低減係数を用いることは不可とします。
記入日 :2018年7月4日
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Q.
教えて下さい いまさらですが、評価シートのコストの部分のサンプル構面の数字(単位 円/kN)の意味を教えて下さい。
例えばA-111の場合 壁基準耐力 5.2kN/m、38,033円/kN ということは 5.2×38033=199,316円/m 1メートルあたり199,316円で設計見積単価とするということでしょうか。(あまりに高すぎるので質問しました)
またこれは、壁の材工の単価でしょうか。仕口の金物補強は別途でしょうか。記入日 :2018年3月30日
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A.
解体から仕上げまで、金物も含んだ材工の金額としています。
手引きのコスト評価の算出方法、P195と、P202をご確認ください。
なお、基礎と接合部の低減がかかる場合は、その低減も加味した保有する耐力を単位耐力当りの金額に乗じて概算補強金額を算出します。記入日 :2018年7月6日
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Q.
A-435真壁上下空き工は良く使うのですが、限界耐力で検討したいため、復元力特性値が有りません。A-335は値が有るのでが、A-435の復元力特性が知りたいです。
記入日 :2018年4月24日
工法番号:A-435
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A.
今後、復元力特性が処理でき次第データを公開する予定です。
記入日 :2018年7月4日
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Q.
・アルミアングル(9*40)を用いた補強ですが、柱に沿わせて設置する際は上から下まで一本もので取り付ける方法しか認められないのでしょうか。長めのアングルを桁の高さにカットした際の端材(1.5~2m弱)を連続させて使用したいのですが・・・。
回答と根拠を教えていただきたいです。よろしくお願いいたします。記入日 :2018年6月6日
工法番号:A-435
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A.
手引き平成29年度版Q37を参考にしてください。
記入日 :2018年7月4日
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Q.
貴協議会資料に掲載している工法は、木造住宅耐震診断の精密診断による補強に使えますでしょうか?
お知らせください。記入日 :2018年6月19日
- A.
精密診断法でも利用できます。記入日 :2018年7月4日
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Q.
添付いたしました図面のようにA-222の一間横使い(1820mm)ではなく、柱間1365mmの場合に構造用合板で厚み12mmを用いて横向き計画する場合も、A-111からの低減係数はα=0.9と考えてよろしいでしょうか。
釘はN50@100です。間柱にもN50@100で打ちます。繋ぎ手の受け材は、柱に対し2-N75斜め打ちです。
HPの木造住宅低コスト耐震補強の手引きNEW → 5章1 → 295ページ(Q&A P.18)も参考にしました。
添付しました図面の低減係数の考え方の、ご指示を宜しくお願い致します。記入日 :2018年6月29日
工法番号:A-222
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A.
半間仕様のものは1000mm程度までとし、1000mm超え2000mm以下のものは1間仕様として計算してください。
記入日 :2018年7月4日
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Q.
真壁で、柱~壁のチリが30mmある場合に同一面に2セット施工することは有効ですか?
記入日 :2018年1月29日
工法番号:A-435
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A.
真壁で片側ちりに真壁おさまりの耐力要素を2セット設けることは、柱のちりへの応力集中を招くため不可とします。
記入日 :2019年3月7日
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Q.
「床側のみ嵩上げし上部梁側は嵩上げしないで柱、梁に合板を固定する場合」、その逆で「床側は上げなし、梁側はかさ上げありの場合」には、「A-134 大壁かさ上げ工法」と同等の評価をしてもいいでしょうか。
記入日 :2018年2月14日
工法番号:A-134
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A.
かさ上げ仕様の性能として問題ありません。
記入日 :2019年3月7日
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Q.
「床側を嵩上げし上部梁側は“あき”とする場合」、その逆で「床側は“あき”とし、上部梁側を“かさ上げ”する場合」は、「A-232上下あき工法と同等の評価は可能でしょうか。
記入日 :2018年2月14日
工法番号:A-232
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A.
片側をかさ上げし、片側を上下あきとする場合は、上下あき工法と同等の評価としてよいと判断します。ただし、かさ上げと上下あきを合わせてa+b≦370mmとしてください。
記入日 :2019年3月7日
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Q.
特性値に減衰定数hを加えて下さい。
ホームズ君で限界耐力計算をするには「減衰定数h」が必要です。
とりあえず「木造住宅の耐震診断と補強方法(例題編・資料編)」P148 合板くぎ打ちの「0..13」を 使っています。記入日 :2018年3月31日
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A.
減衰定数hは、1つの値とすると、終局時の破壊性状が影響すると考えられ、釘打ちの場合は0.13、土壁・筋かいは0.10、アルミアングル仕様は0.08としています。H30年版手引きに評価を記載する予定です。
記入日 :2019年3月7日
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Q.
このQ.28への回答として、中央に配置する間柱は、釘の端あきに注意するというコメントがあるため、60×90以上の断面の間柱を連続部分の中央に使用する絵になっているように見えますが、例えば、中央の間柱を30×90を2本配置する事で、変えることは可能でしょうか。
記入日 :2018年4月4日
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A.
材を分割する場合は、柱とする部材が一体となって挙動するように、N75@150以下で緊結してください。
記入日 :2019年3月7日
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Q.
「木造住宅の耐震診断と補強方法」 例題編・資料編P148 資表4.1.2(a・b・C) 荷重変形関係・等価粘性減衰定数が有ります。
限界耐力を検討するうえでA工法の減衰定数(h)の値が知りたいと思っています。
A工法の減衰定数は数値として出ているのでしょうか?
それぞれA工法の減衰定数はどのような値になるのでしょうか?
出ていないとするとどのように考えればよいでしょうか?
ご回答よろしくお願いいたします。記入日 :2018年4月24日
工法番号:A工法
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A.
減衰定数は、振幅に応じて1つとして評価するのであればH30年版手引きに記載する値を用いてください。その他の場合は、変形角、その耐力から算出して用いてください。
記入日 :2019年3月7日
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Q.
写真・図では、欠く箇所が両柱脚となっていますが、片方の柱の柱頭・柱脚の2カ所を欠いた場合もこの工法の数値を採用したので良いのでしょうか?
よろしくお願い致します。記入日 :2018年6月19日
工法番号:A-813
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A.
土壁は斜め方向の圧縮によって性能を担保することから、斜め方向の欠損率が同じとなる縦方向の2隅欠けと柱脚部2隅欠けは大きく変わらない。縦方向の2隅欠けで用いることを可とします。
記入日 :2019年3月7日
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Q.
A-284のa寸法についてどのように施工することを想定しているのかお聞きしたい。
①図でのa寸法は土台の上から窓台上(上下受材)の表記だと思います。(合板寸法ではない)
その際、合板が横使いの場合910x1820は土台に正しく合板がかかりません。(1000×2000サイズを想定しているのか?)一般流通品なのでと書いてあるが‥。土台に10mmで良いのか?
部分開口(窓上下)に上下受材はわかるのですが、継手受材や土台に受材が必要ではないか?
②詳細な仕様がない為、「まぐさ、窓台を裏桟と兼用する事も可能」とはどういう意味か?上下受材の部分のことでしょうか?
まぐさや窓台が40mm程度の場合には胴縁等を窓台等に打って足せば良いという意味か?
ご見解をお願いいたします。記入日 :2018年6月23日
工法番号:A-284
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A.
①aは900以上のところを実験では1枚合板で行っていたことから、腰壁高さ880以上に変更します。
②上下受材に修正します記入日 :2019年3月7日
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Q.
かさ上げをする場合、かさ上げ最上部では柱間にかさ上げ材が敷かれているものとするとありますが、かさ上げ数が少ない場合、金物を使用するときに最上部を欠かざるを得ない状況が起こりそうですがいかがでしょうか?
また、最上部を金物分だけ欠き、最上部が柱に一部接する状況は不可でしょうか?
よろしくお願いいたします。記入日 :2018年9月14日
工法番号:A-334
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A.
かさ上げ材を切り欠くことにより、面材耐力壁の釘本数を確保できないこと、せん断力すべてをかさ上げ材を介して土台に伝達するのは困難であることが懸念されます。そのため、かさ上げ材の積み上げ本数を増やす等することで、かさ上げ材と柱材が連続するようにしてください。
また、最上段のかさ上げ材の一部を欠損させるとかさ上げ材に生じる軸力伝達に影響が生じるため不可とします。記入日 :2019年3月7日
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Q.
公的機関による技術評価・性能証明において、評価書の有効期限が平成27年9月28日となっておりますが、本手引きの発行年度29年度は、既に有効期限が切れている状態であります。
したがって、本手引きに掲載しているということは、減災協で有効であると評価しているということでしょうか。そうではなく、参考として掲載しているのでしょうか。
なお、W-017c.2の工法に関わらず、有効期限が切れている工法も同様な考えということでしょうか。
よろしくお願いします。記入日 :2018年11月22日
工法番号:W-017c.2
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A.
手引きに記載された評価工法で、建防協の有効期限が切れているものについては、2種類があります。
1. 期限は切れているが、審議中のため、有効とみなす もの
建防協の下記アドレスから、下部にある、評価実績に入り、最下部に「* は、現在審議中のため有効とみなす」と記載されています。
https://www.kenchiku-bosai.or.jp/evaluation/page-150/
2. 建防協では欠番となり有効でないが、減災協議会で引き続き評価している もの
減災協では、一度、建防協もしくは減災協にて評価された工法で、現在も手引きに記載されているものについては、そのまま評価工法としてお使いいただいて構いません。記入日 :2019年3月7日
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Q.
「木造住宅 低コスト 耐震補強の手引き」に記載のある 各種耐震補強仕様(A工法)は、壁量計算には使用できない。ということですが、許容応力度計算(耐震補強や増築・新築)をする場合には、使用できませんか?
また、A工法は壁高さについて記載が無いようですが、適用範囲は設けていますか?記入日 :2018年11月27日
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A.
新築をする場合の壁量計算には耐力の評価指標が異なるため採用することはできません。許容応力度計算をする場合は、手引き5.2章の復元力特性を参考にしてください。
また、壁高さについては、建防協Q&A3.44, 3.45と同じ判断です。また、想定した範囲を超えるものを扱う場合は設計者判断としてください。記入日 :2019年3月7日
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Q.
構造用合板補強工法 真壁「1間 横使い」アルミ材下地について、土台のかさあげをして施工することはNGでしょうか?(かさあげ材にアルミアングルを止め付けて施工する方法)
記入日 :2018年12月25日
工法番号:A-426
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A.
かさ上げルールはアルミ仕様での適用も可としています。
記入日 :2019年3月7日
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Q.
質問①
構造用合板(厚9mm)が、取り付ける柱の面内に納まらず、1~2mm柱面より外に出る場合に、「壁基準耐力の評価に低減はない」と扱ってよいでしょうか?記入日 :2019年1月21日
工法番号:A-311
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A.
標準真壁の場合、7.5mm厚が告示仕様となっており、9mm合板の場合1.5mmまでは柱面より出ていても性能は確保できると考えられます。
記入日 :2019年3月7日
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Q.
アルミアングルの設置向きは①構造用合板が柱内に収まる向きに短辺を柱へビス留めする仕様となっておりますが、その向きが逆となり、②構造用合板が柱外に設置される向きに短辺を柱へビズ留めされた仕様は同様に耐力を見ることはできるものでしょうか。
または耐力を低減される(その場合、どの程度低減されるのでしょうか)、耐力は見れないものでしょうか。記入日 :2019年2月27日
工法番号:A-435,455
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A.
②では、アルミアングルが回転してしまい効きません。実験から評価していることから①の納まりとしてください。
記入日 :2019年3月7日
- A.